2024/03/19
効率の良い勉強法には落とし穴がある
小学生の保護者の方によく言われる言葉に
「もっと効率の良い勉強法をしてくれたらいいんですけどね」があります。
わが子の勉強の方法がどうも遠回りに見えるようです。
面談や送り迎えで言われる場合は
生徒の性格も保護者の方の性格もよくわかっている(つもりな)ので
「今は何も考えずにお子さんの勉強をしっかり見てやってください」
と伝えてあります。
「効率の良い勉強法」ばかり追い求めると、勉強は破綻します。
本来、効率の良い勉強法で期待するのは、「同じ労力で大きな効果を得ること」です。
しかし現実には、「今より楽をして同じ効果を得ること」ばかりを考えているように見えます。
そもそも効率の良い勉強法を履き違えているわけです。
勉強法は、合う合わないがあるので、失敗することがあります。
「同じ労力で大きな効果」を意識しておくと、失敗しても同じ労力だけは残るので別の方法を試しやすいです。
「楽して同じ効果」を意識すると、失敗すると楽した分別の方法を試すときに勉強量を戻すのに苦労します。
同じ労力で大きな効果を得るように、こちらは仕向けてやらないといけないのです。
私たちは一度「効率の悪い勉強法」を経験している
大人がなぜ「わが子の勉強法が非効率だ」と感じるかと言えば
大小あれど自分が非効率な勉強法を経験して、苦しんだ経験があるからです。
もちろん、わが子にはそのような経験をしてほしくない、
という親心が生んだ悩みですから、それ自体が悪いことではありません。
でも。
自分が学生時代、学校の先生が教えてくれる
「簡単に解けるやり方」を素直に受け入れていたかと言えば
そうではなかったなと思います。
「22×32+28×32」を、
分配法則を使って「(22+28)×32」として計算することが効率的な計算方法だといわれても
まったくもってピンとこなかったことをよく覚えています。
なぜなら、当時「22×32+28×32」を計算することになんの苦労もしていなかったから。
でも、「22×3.14+28×3.14」の計算をすることを考えたとき、
分配法則は効率的なものなのだと強く強く実感しました。
だから、算数を教える身としては、すぐにでも分配法則の計算ができるようになってほしいのです。
…が、私はそれをグッとこらえています。
きれいごとではありますが、私は「公式の素晴らしさ」は自分の手で見つけ出してほしい。
例えば分配法則をすぐに導入しない理由はそこにあります。
効率の良い勉強法より生徒の解き方に注意
同じように、効率の良い勉強法についても、すぐに生徒に与えることはありません。
効率が悪くてもなんでもいいから、まずはとにかく勉強してみることが大事。
中身はそれからでも遅くないと思うんです。
非効率に勉強を5時間続ける生徒がいるとしたら
多くの人は効率的に2時間やればいいじゃないと思うでしょうが
私は、5時間続けられることはすごいことだから、そのまま突き進んじゃえと言うでしょう。
先ほどの保護者の方に、「勉強をよく見てあげて」と言ったのは
効率の良い勉強法をどこで投入するかその時期を見極めたいという意図です。
より効果的なタイミングで、よりインパクトの大きい方法で
効率の悪い勉強法からよい勉強法へ変える。
そのタイミングをうかがっているわけですね。
関連記事
戻れる場所を持つという意味
それ以外に重要なのは、
とりあえず困ったらがむしゃらに勉強するスタイルに戻れるように
非効率でも勉強をする方法を身につけさせる、です。
現在私立中学1年生の生徒が受験生のときに
とにかくがむしゃらに、入試問題を解くというスタイルで半年間しっかり勉強し
希望の私立中学に合格しました。
保護者の方との相談のうえ、中学生になったのでがむしゃらスタイルを少しずつ変えて
中身で勝負しようと伝え、実行しましたが
内容もペースも小学校とは段違いの学校生活に
新スタイルはなかなかうまく機能しませんでした
そのため、保護者の方と再度相談し、もとのがむしゃらスタイルをベースにすることに
一度経験しているスタイルなのですんなりと定着して
ほんのちょっと成績も上がりました。
はじめから効率を追い求めて勉強していると
元に戻る場所がなくなってしまう、というのが私の持論です。
効率を追い求めること自体は悪ではありません。
でも私は、追い求めるより前にやることがあると考えています。
夏期講習会で考えていること
というわけで
IKUEI個別学院の夏期講習会は、基本楽しく、ときどき厳しく
「王道の勉強」を突き進めます。
英語なら、単語の暗記・文法のチェック・簡単な長文問題
数学なら、計算・公式を使った文章題・簡単なグラフの問題
国語なら、簡単な作文の問題・説明文の問題
理科社会なら、用語の暗記と資料の読み取り問題
これらを中心に、しっかり勉強してもらおうと考えています。
ぜひ、お問い合わせください。
IKUEI個別学院西条校への問い合わせはこちらから!
〒739-0005 東広島市西条大坪町9-51 B-2
電話 082-422-5498
公式LINEもやっています!
タイムラインで校舎情報を更新中!下のボタンを押して友だち登録お願いします。