2024/03/19
先日まとめた、広島県の入試分析に関連して、
国語って、どんな文章が採用されているんだろう
という疑問にぶつかりました。
でも、どうやらこれを調べている人はあまり数が多くなさそう
(他県の塾さんにはおられたのですが)。
そこで、現在私がさかのぼれる2010年度から2020年度までの11年間の、
小説および評論の出典元をひたすら調べました。
すると、私にとってはおもしろいことが分かったので、ここにシェアしますね。
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国語の出典・小説編
まず小説から。
2020年:横光利一「笑われた子」
2019年:菊池寛「我鬼」
2018年:三島由紀夫「白鳥」
2017年:志賀直哉「或る朝」
2016年:川端康成「ざくろ」
2015年:森絵都「クラスメイツ」
2014年:辻村深月「サクラ咲く」
2013年:あさのあつこ「おまもり」
(画像なし)
2012年:鷺沢萠「海の鳥・空の魚」
2011年:竹内真「自転車少年記」
2010年:重松清「サンタ・エクスプレス 季節風 冬」
2016年から急にテイストが変わる
2015年以前の出典は、「あさのあつこ」だったり「重松清」だったり
受験生と同年代の登場人物の心理描写をえがくタイプの
いわゆる「現代小説」、比較的なじみのある小説でした。
それが、2016年から急に川端康成や志賀直哉といった
歴史の教科書に登場するような、近代を代表する作家の文章が採用されています。
2020年は横光利一の文章が採用され、今の受験生にとってなじみのあるような内容ではありません。
2016年といえば、各教科入試傾向をがらりと変えて、大幅に平均点を下げた年。
問題文中に登場する「生徒同士の討論」を読み解くという問題形式上の変化も重なって
2015年以前の「得点源」だったころに比べて難易度が上がったと考えられます。
国語の出典・評論編
続いて評論文です。
2020年:原田マハ「いちまいの絵」
2019年:稲垣栄洋「雑草はなぜそこに生えているのか」
2018年:秋田喜代美「読む心・書く心:文章の心理学入門」
2017年:鷲谷いづみ「自然再生」
2016年:外山滋比古「古典論」
2016年:栗山民也「演出家の仕事」
2015年:宇佐美洋「言葉の「正しさ」とは何か」
2014年:菅原健介「羞恥心はどこへ消えた?」
2013年:柏木博「デザインの教科書」
2012年:中村明「日本語 語感の辞典」
2011年:池内了「パラドックスの悪魔」
2010年:林望「文章の品格」
文学系と社会学系に重点
こちらは、小説の場合のように2016年度に線引きがされているわけではありません。
テーマとしては、「自然科学系」(17、19年)、「文学系」(10、12、15、16、18年)、「社会学系・芸術系」(11、13、14、20年)。
2020年度は、2014年度以来の芸術系のテーマでした。
時事問題のような内容をもってこないのが特徴で、教科を横断するようなものよりも、「日本語の世界・日本人の価値観」を深く掘り下げるようなタイプのものが多い印象です。
広島県が採用する評論文のテーマは、話されている内容の語い力がある程度ないと、何を伝えたいのかが読み取れず、題意を取り違える恐れがあります。
何をすると伸びるのか
これをみてお分かりかもしれませんが、入試国語は「読書」するから解けるようになるような甘いものではありません。
もちろん、読書を趣味としている生徒は、文章を素早く読めたり、抵抗なく活字に入ることができたりと、有利に働く部分は多くあります。
でも、それだけでできるようになるほど簡単ではありません。
また、日本人だから国語ができて当然、はデマです。
大人でも、広島県の入試に出てくる文章を理解するのは、一筋縄ではいきません。
だから、きちんと国語の問題を解く準備はしないといけません。
とはいっても、そう簡単にいかないのが国語の勉強。
では、「問題を解く」以外になにかいい方法はないでしょうか。ここでは2つ提案しますね。
読書はする
結局ここを欠かすことはできません。
文章を素早く読むことは、やはり大きなアドバンテージだからです。
普段あまり読んでこなかった人はまず、短くてもいいので毎日活字に触れることくらいはしましょう。
粘り強く文章を読み込む訓練は、当然のことながら大事です。
教科書に載っている作品でも、家にある本でもいいです。
恋愛ものでもSFでも、コミックを文字起こししたようなものでもいいです。
とにかく読みます。
慣れてきたら、次に読むのは自分にとって読み始めるのに少し勇気のいる作品にチャレンジします。
もし友だちが本を読む人なら、その人に聞いて、借りてもいいかお願いしましょう。
自分が読んでいた本と交換して読んでもいいですよね。
あったことを伝える
簡単に言うと、最近あったできごとを誰かに伝えようということです。
口頭でも文章でも、どういう形式でもいいです。
できるだけ、言葉だけで、文字だけで伝えられるようにがんばってみましょう。
これを訓練することで、どの情報を与えれば、相手が感動してくれるかがわかります。
どういう組立てで書けば、相手が納得してくれるかがわかります。
書ける人は、読める人です。
それを夏期講習で「問題演習」に変える
IKUEI個別学院の夏期講習会で、さすがに読書だけをしてもらったり、あったことを話してもらったりするだけの講座は開いていませんが、
この考えをもとに、授業内で国語の問題にチャレンジしてもらいます。
問題を解いたり、内容を理解したりする上で、必要な技能は
個別指導で一人ひとりに伝えていくほうが効率が良いので。
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