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令和5年度広島県公立高校入試(現在の中1からのシステム)の概要

time 2020/08/24

令和5年度広島県公立高校入試(現在の中1からのシステム)の概要

定期テストに向けてがんばっている生徒と向き合う毎日は、楽しいところもあれば、ヤキモキするところ、プレッシャーがかかるところ、いろいろあります。
でも一番プレッシャーを受けているのは私ではなく生徒たち。今日もサポートに全力!でございますが。

さて、現在中学1年生の代から、広島県の公立高校入試が変更になるのをご存じでしょうか。教育委員会の方から、リーフレットが配られていると思われますが、そういう話を一切聞いたことがない私(聞き逃しているだけかもしれませんが)は、一度きちんと入試システムをチェックしようと思い、テスト期間中ではありますが、記事にしようと思いました。
現在中1以下のお子さんをお持ちの保護者の方の参考にしていただければ幸いです。

また、現在中2・中3のお子さんもお持ちの方には、現行の入試システムとの比較をしながら見られるように工夫しております。

疑問点などは、お問い合わせください!

現行の入試システムについてはこちらから
広島県公立高校入試のシステム~選抜I
広島県公立高校入試のシステム~選抜II

令和5年度広島県公立入試のシステム

新公立高校入試の4つのポイント

主体的な志望校選択

すべての高校について、教育目標や育てたい生徒像、アドミッションポリシー、実施する検査・教科の項目や配点などの入学者選抜の実施内容を事前公表します。

現在のシステムでは、アドミッションポリシーなどの記載は必要なく、配点などは広島県教育委員会が取りまとめて発表します。

調査書の簡素化

中学校(校長)が作成する調査書の記載内容は、「志望校」「氏名」「性別」「学習の記録(評定)」の4項目です。

現在のシステムでは、部活動の記録やボランティア活動、学校のようすなどの所見を書くことが必要です。

入学者選抜にかかる期間

公立入試は、2月下旬から3月上旬に予定される「一次選抜」と3月中旬あたりに予定される「二次選抜」の2つです。

現在のシステムでは、選抜1を2月上旬に、選抜2を3月上旬に、選抜3を3月下旬に行っており、入試期間の長さと選抜1合格後の気のゆるみなどが指摘されていました。

受検者全員に「自己表現」を実施

受検者全員が、自分自身のことや高校入学後の目標などを「自分で選んだ言葉や方法」で表現する「自己実現」という検査方法を導入します。

入学者選抜・一次選抜

一次選抜は、すべての高校で実施するものです。合格者を決定する方法は、2パターンあります。

一般枠

学力検査(当日の得点)調査書(内申点)自己表現の3つの得点の合計点で合格者を決定するのが基本です。これを一般枠と呼びます。

特色枠

定員の50%を上限に、各高校が独自の検査方法で合格者を決定する方法です。
特色枠を利用する高校の合格判定の方法は、①まず特色枠での合格者を決定してから、②残った受験生の得点を一般枠の方法で決定する、という2段階選抜を採用します。

現在のシステムの、選抜1と選抜2を同時に行うものだと考えていただければよいと思います。

一般枠における選抜方法を詳しく

一般枠における、学力検査、調査書、自己表現の比重は、基本的に学力検査6割、調査書2割、自己表現2割で計算されます。

現在のシステムでは、選抜2について学力検査と内申点の比重は、ほぼ1:1でした。

学力検査

学力検査は従来通り、国語・社会・数学・理科・外国語(英語)の5教科各50点満点、合計250点満点で行われます。

調査書

通っている中学校で作成される、いわゆる内申書です。調査書の簡素化で、事実上成績のみが記述されている紙になりそうです。調査書には、1年生から3年生までの、9教科の成績が記入されています。これを合計したものを内申点と呼びます。
内申点の基本計算は、1年生の9教科合計+2年生の9教科合計+3年生の9教科合計×3です。3年生の成績だけ3倍して比率を重くしています。合計点は225点満点です。

現在のシステムでは、選抜1の内申点は、単純に3年間の成績の総和です。また、選抜2の内申点は、副教科の4つを2倍にした数字の総和を3分の2倍したものとなっていました。

自己表現

自己表現は、早い話面接です。受験生全員が、自己表現カードを受験会場で作成し、これをもとにして面談(面接)を行うというシステムのようです。配点などすべて高校側が決めますが、基本の配点は60点になりそうです。

現在のシステムでは、選抜1は基本的に全員面接、選抜2は、学校によってあったりなかったりでした。

選抜2と一般枠がほぼ同じものだと考えていただければよいかと思います。

特色枠の選抜方法を少し

独自検査

先ほどまで簡単に説明した3つの方法に加えて、高校側が課すことができる検査です。教育委員会の想定は、作文小論文実技検査プレゼンテーショングループワーク、さらに独自の学力検査であると思われます。
独自検査のみで判定するか、学力検査や調査書などを加えるかは、高校側で決めることができるようです。

特色枠=選抜1と考えていただいてOKかと思います。

広島新公立入試の最大の特徴:高校での自由度の高さ

すべての公立高校は、あらかじめ入学者選抜実施内容シートを発表する必要があります。発表内容で現在想定されているのは

  • 教育目標
  • 育てたい生徒像
  • 入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)
  • 入学定員
  • 特色枠の有無と受け入れ人数
  • 学力検査の実施教科と配点
  • 調査書の学年比重、対象教科、配点
  • 自己実現の実施内容
  • 独自検査の実施有無と方法
  • 学力検査、調査書、自己実現、独自検査の比重

です。これを高校側が決められるとなると…ほとんど高校にお任せくらいの勢いですね。

二次選抜

二次選抜は、一次選抜で入学定員に満たなかった高校が実施するもので、調査書、自己実現の得点の合計点と、各学校で実施する独自検査で合格者を決定するものです。

二次選抜は現行のシステムの選抜3にあたるものと考えてください。

2年後から入試は「一発勝負」に

いろいろ書かせていただきました。一つ言えることは、現在の中学1年生から、広島の公立高校は事実上一次選抜での一発勝負になったということです。

二次選抜は選抜3と同じものと書きました。現在も、選抜3を実施する高校は正直少なく、これを受けることなく私立の高校への進学を決める受験生が多いのが実情です。

ということは、選抜1と選抜2をまとめてしまった今回の新入試方式は、実質一般選抜1回で合格者を決定するという方式。一発勝負に進んできた、ということです。

私立高校の対応については、まだ決まっていませんが、何かしらの対応があるものと思われます。
情報収集はお早めに、そして、くれぐれも「一次情報にも当たる」こともお忘れなく。→広島県教育委員会・入学者選抜新方式のページ

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